「武蔵野市の防災~市民協働による災害ボランティアセンターの取組」(2024/1/18)
武蔵野市民社会福祉協議会ボランティアセンター武蔵野 センター長 三藤和寛さん
社会福祉協議会は、市民と支え合いのまちづくりを進める民間の福祉団体
以下のような事業を実施している。
●地域住民が主体となった様々な福祉活動の推進・支援
●ボランティアの育成(ボランティアセンターの運営)
●様々な福祉事業・サービスの実施
そして、災害時には「災害ボランティアセンター」の運営を行う。
災害ボランティアセンターは、大規模災害時にのみ開設される。
平時の「ボランティアセンター」とは異なり、被災者支援を目的とした活動を行、被災地外からの様々な支援を受けて活動を行うことが特徴。
災害ボランティアセンターが担う役割は以下のようなものがある。
●市内の生活情報など情報の収集と発信
●被災者のニーズ把握
●被災者からのボランティア依頼の受付
●ボランティア希望者の受け入れ
●ボランティア依頼とボランティアのマッチング
●被災者の一時的な生活費の貸付
●行政・他の支援団体との協働による支援
武蔵野市では災害ボランティアセンターを市民文化会館に設置することとなっている。
震度5弱以上の地震が発生すると武蔵野市は「災害対策本部」を市役所内に設置し、被災状況により「災害ボランティアセンター」設置する。
市民社協では、市と「災害時におけるボランティア活動支援に関する協定書」を締結している。
そして、武蔵野市では発災時を想定した災害ボランティアセンターの訓練「防災ボランティア訓練」を平成18年より実施しており、武蔵野市地域防災計画で位置づけられている。
この訓練は市民社協職員だけでなく、ボランティアセンター武蔵野運営委員、武蔵野市国際交流協会、災害ボランティア経験者、武蔵野青年会議所、大学ボランティアサークル
など多くの市民が参加。災害ボランティアセンターの運営は市民参加が原則となっている。
この訓練では発災時を想定し、以下のような様々な検証を実施してきた。
●外国人のボランティア、スタッフを想定した対応
●障がいのある人への対応
●コロナ禍でのセンター開設を想定した対応
(ボランティアの地域限定募集、ボランティア・スタッフの体調チェック、レイアウト、動線の見直し(密回避)、オンラインの活用)
さらに、訓練当日だけでなく、運営方法(マニュアルづくり)も市民参加で行うなど、平時からの取り組みを行い、顔の見える関係づくりを大切にしている。
過去の様々な災害の経験からも「平時の取り組み」の大切さが認識されていている。
災害時は特別な技術やスキルを求められる活動も多く、専門職や行政などの役割が大きいが、特別な経験やスキルを持つ人だけでなく、同じ住民だからできることがある。
具体的には、災害時に支援を必要とする可能性の高い「ハイリスク予備軍」(緊急性は高くないが、生活に支障のある人や、一見普通ではあるが、生活のリズムや役割、対処方法、活力を自ら見いだせていない人)への住民やボランティアの関わりの重要性が指摘されている。
平時から身近な地域の中で災害時にリスクを抱える可能性がある人の存在を意識することで、災害時のちょっとした配慮や支え合いが生まれる。
平時から地域でできる取り組みにご協力いただきたい。