活動報告

私たち東京武蔵野中央ロータリークラブは、さまざまな職業のメンバーが
その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んでいます。

「米山月間に因んで」(2021/10/14)

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米山奨学生 アマルサイハン・アマルリンさん

皆さん、こんにちは。米山奨学生のアマルサイハン・アマルリンです。本日は、卓話をさせて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

卓話の内容は以下の通りです。まずは、自分の出身地であるモンゴルについて、続いて家族、留学生活、ロータリーとの関わりについてお話し、最後に卒業後の進路について話したいと思います。

それでは、故郷の紹介から始めたいと思います。モンゴルといえば、日本では、大草原の国と白鳳、朝青龍などの力士を代表とする大相撲のイメージが強いと思います。私の故郷モンゴルまで日本から直行便で5時間ぐらいかかります。日本と同じく四つの季節がありますが、夏は最高気温が40度、冬は最低気温がマイナス50度ぐらいになり、内陸性の厳しい気候であります。

上の写真に写っているものを皆さんは見たことがあるかもしれません。これはモンゴルの伝統的な住居、ゲルといいます。ゲルは木とフェルトと布でできた組み立て式の住居で、遊牧民族が移動して生活するのに適しています。この写真は、モンゴルの西の県にある田舎の写真で、私のお爺さんの家です。右の写真は昔ながらの牛車です。現代では、みんな車で移動したり、物を運んだりするようになったのでこういう牛車はとても珍しくなりました。

モンゴルの伝統的な文化を日本で紹介するのは留学生であるわたしにとって一つの義務だと考えております。そういうわけで、2019年の12月に、2年生の時大学の「早稲田ふるさと大使」という学校のウェブニュースでモンゴル文化における馬のイメージについて記事を書きました。モンゴル人は馬をただ動物というより宝物として考え、尊敬して来たことについて書きました。

次の写真は私が馬に乗って登山した時の写真です。私は都市の子ですが、他のモンゴル人とおなじように馬が好きで、乗ることも好きです。その次はモンゴルの特別な料理であるホルホグです。ホルホグは羊の石焼き料理で、お祭りや特別の日に作ります。

続いては、わたしが生まれ育った町、モンゴルの首都ウランバートルです。モンゴルの人口は約300万人で、ウランバートルではその3分の1に当たる100万人が住んでいる大都会です。人が多いので、交通渋滞と環境汚染などの問題を抱えていますので、これからいろいろ解決していかなければなりません。ウランバートルでは、人口の半分ぐらいがゲル地区に、半分ぐらいがアパートに住んでいます。

つづきまして、自分の紹介に移ります。私はモンゴル初のモンゴル式教育とアメリカ式教育を両立しているHobbyという学校を卒業しました。小学校1年からこの学校に通い、英語も小学校一年生のときから習いました。

私は2018年5月に高校を卒業しました。私の高校では、入学する大学を書くコーナーがあります。私は自分の高校から初めて早稲田大学に入学した卒業生になったので、大学のロゴを書きました。

続いては、私の家族をご紹介します。私の両親は二人とも大学の先生で、母は日本語教師、父は医者ですが、今は教師をしています。

続きまして、大学生活の話になります。前に述べた通り、私の母が日本語教師を務めていますので、小さい頃から私にとって、日本は馴染みのある国でした。高校を卒業して、2018年に、17歳の時、早稲田大学政治経済学部英語学位プログラムに入学しました。私の家族のみんなが好きな日本へ留学したいと思い、早稲田大学に進学することを決めました。

大学に入学してから、授業以外の自由な時間に積極的に大学のいろいろな活動に参加するようにしました。こちらは、学生寮の皆さんと静岡県へ日本茶について学びにも行きました。このような活動に参加することで日本文化への理解を深めることができて、また、日本の友達も作る事ができました。

学生生活の中で私が一番頑張ったことの一つは友人達と一緒に学生団体を発足したことです。早稲田経済金融フォーラムという、国際的に活躍したいという夢を持つ学生が経済とファイナンスについて学ぶサークルです。2021年の4月に経済・ファイナンスに関する知識をみんなに広めたいという情熱を持った友人同士でクラブの活動を始め、6ヶ月で、5人から20人のグループに成長しました。私はクラブのこうほう部長を務めております。

私たちのクラブの主な活動の一つは優秀な先輩方を招いて、イベントを実施する、または、毎朝SNSで金融市場のニュースを伝えるなどの活動を行っております。今まで、イベントの参加者の数が200人を超えました。日経平均株価の動き、金融市場での新しいニュースなど、その日の知っておくべきニュースをわかりやすく掲載しています。右側の写真は初めてのイベントとして外資系の大手資本管理会社であるブラックロックからゲストスピーカーを招いて就職活動向けのイベントを行ったときの写真です。このイベントにつづき、大学院進学向け、学内ネットワーキングイベントなど様々なイベントを実施してきました。

つぎに、私のアルバイト経験に移らせていただきたいと思います。日本の文化、ビジネス場面でのコミュニケーション、または顧客への対応を学んでいきたいと思い、色々なアルバイトをしてみました。私は私費留学生なので、自分の生活費も稼げる機会でした。初めてのアルバイトは1年生の時、栃木県の那須塩原市にあるモンゴリア・ビレッジテンゲルというモンゴル風の旅館で3ヶ月間住みながら働いたことです。主に、清掃とキッチンスタッフとして働いていました。そのあとは、東京で、当時住んでいた早稲田国際学生寮の隣にあるマクドナルドでレジスタッフとして半年働きました。

また、マクドナルドで働きながらスタートアップ会社であるドアケルでマーケティングインターンをしました。ドアケルは生まれた国や育った環境によって、普段の生活の中で得られる情報や機会にはかたよりがある現代において、インターネットを通じて、人の可能性を広げるというビジョンを持つ会社です。そこで、私はマーケティングインターンとして外国に住んでいる方々向けに日本の大学進学の機会などについて記事を書いたり、また、SNSマーケティングを通じて250人以上のモンゴル人留学生を日本の企業にインターンシップの人材として紹介しました。

次のアルバイトは家庭教師で、子供たちに英語と数学を教えました。こくさばとTCKワークショップという二つの会社に所属しておりました。2年間で50人ぐらいの生徒に教えました。

それでは、ロータリー クラブとの関わりについてお話したいと思います。私は高校のとき、学校のインターアクトクラブに3年間所属しておりまして、1年間副会長を務めた経験があります。私の学校の名前はHobbyだったんですが、趣味のhobbyではなくで、Hobbyという鳥の名前です。日本語でチゴハヤブサという鳥です。それで、学校のインターアクトクラブのロゴもこの鳥とロータリーのイメージを組み合わせたものです。

それでは、具体的におこなっていた活動の事例について紹介したいと思いす。こちらは2018年の5月にモンゴルのバトスンベル国立老人ホームに支援物資を贈呈したイベントです。募金活動で集めた資金で車椅子、もうふ、日用品、ビタミンなど、お年寄りに必要なものを贈呈するようにしました。左側の写真は支援物資で、右側の写真は私がインターアクトクラブの代表として贈り物を贈呈している姿です。

そのイベントの一日をお年寄りの方々と一緒に過ごして、一人一人に支援物を贈呈したり、クラブの皆さんが演奏会を開いたりして楽しく過ごしました。

それから、高校を卒業してからも、できるだけボランティア活動に携わって行くようにしました。大学2年生の時、学生寮のともだちとモンゴルと関わりのあるMongory というNPOの方々と協力してモンゴルでボランティア活動を実施しました。

先ほど述べたボランティア活動の具体的な説明をさせていただきたいと思います。モンゴルのウランバートル市にある「魔法の国」という孤児院の子供達に衣類や文房具などを贈呈しました。この支援物資は全て、自分たちが住んでいた学生寮で集めたものでした。贈呈式の際にモンゴル放送局の皆さんも来てくださり、インタービューをしました。

ただ支援物資をあげるだけではなく、子供達と一緒に、チーム全員で交流をし、1日を楽しく過ごしました。

前に述べたとおり、高校時代から今まで、ロータリー、そして他の奉仕活動に積極的に参加してきたことが繋がったご縁もあったかと思いますが、今年の4月からロータリー米山記念奨学生に選ばれることができて、大変嬉しいです。これからも、人々の心を繋げる皆様からボランテイア精神を学んで行きたいと願っております。

それでは、最後になりますが、卒業後の進路を今のところどう考えているかについて少し述べたいと思います。私は来年の9月に大学を卒業する予定です。私はモンゴル語、英語、日本語と韓国語がだいぶできるので、今まで学んできた知識と外国語能力を活かして、まず、日本で就職をしたいと考えております。日本でしばらく働き、何年か自分の専門性を高めてからモンゴルへ帰りたいと考えております。帰国したあとは、できれば、国際機関で働き、自分の国の経済発展に貢献できる人材になりたいと願っております。

これで、私の卓話は以上になります。ご清聴をどうもありがとうございました。これからも、ご指導の程、どうぞよろしくお願いいたします。