活動報告

私たち東京武蔵野中央ロータリークラブは、さまざまな職業のメンバーが
その経験と知識を生かして社会奉仕活動や人道的活動に取り組んでいます。

「パキスタン・イスラム共和国ポリオNIDに参加して」(2024/4/4)

卓話

地区ポリオプラス委員長 小林康徳さん(紹介 鈴木会員)

2023年3月11日~15日の日程で、チームポリオJAPAN 第2班 国際ロータリー第2690地区パストガバナーの松本団長(益田西RC)以下メンバー12名で、パキスタンNIDに参加してきました。ポリオ常在国は、アフガニスタンとパキスタンの2か国となっています。パキスタンの人口は2億2千万人(世界第5位)、面積は日本の2倍、首都はイスラマバードですが、最大の都市、アラビア海に面したシンド州の州都カラチで活動をしてきました。アフガニスタンの国境近くは、タリバンと呼ばれる勢力が今でもテロ事件を起こしていますが、カラチは比較的安全なエリアで在留邦人数も1千人程、進出している日系企業も80社ほどあるようです。

我々は、地元のWHO職員や、ポリオワーカーと呼ばれる、ワクチン投与活動を仕事にしている方々と共にワクチン投与活動に参加してまいりました。最初に訪れた場所は、商業や経済の中心であるカラチには、毎日、地方から大勢の方、(アフガン難民も含め)がバスや鉄道を使い入ってきます。そこで、ハイウェイにポリオステーションなるものを作り、カラチに入るバスをすべて停め、一台一台停車させ、バスの中に乗り込み子供が乗っていないか確認しワクチン未接種の子供には、その場でワクチンを投与する活動です、僕が訪れたステーションは33名のワーカーさんが2交代24時間体制で365日、活動しておりました、真夜中や明け方に通過するバスがかなりあるようです。この場所ひとつで、ひと月に7万人から、多い月には10万人の子供にワクチン投与をしております、こうしたハイウェイステーションがカラチには8ヶ所もあるそうです、次に訪れた場所は、鉄道の駅です、ここも先程のハイウェイと同じ様に、駅に停車中の列車に乗り込み子供の確認、投与、列車をホームで待つ人々も、歩いて子供の有無を確認、そして投与する、ワーカーさん達も同じ様に20名くらいで、毎日、始発から終電まで、駅で活動をされていました。

次に訪れたのは、一番大事な活動である、気温40度の中、(夏場は50~60度になるらしい)一軒一軒、戸別訪問しての活動です、戸別訪問と言っても、家というよりは、簡易テントに近い感じです、報道番組など、TVで見る難民キャンプです。一軒一軒訪ねて行き、投与活動した情報(子供の数や、訪ねた時には居なかったなど)は、住民台帳のようなものもない(当然、地図もありません)ので、テントの外壁というか、覆ってある布にチョークで書きます。雨が年に15日くらいしか降らないので、チョークでも消える事は無いそうですが、布を張り替えると分からなくなるそうです。

毎日、毎日、刻刻と人が流れて、また入ってきて勝手に住み着いてしまうので、いっけん非効率に思えるこの活動は、とても大事な活動となります。この様なワーカーさんは、パキスタン全土に25万人から30万人が毎日、活動しております。ワーカーさんになるには、ワクチンの温度管理の教育や、他の色々な教育訓練を受けて、初めてワーカーになれますので、ひと月のお給料は、日本円で15000円くらいとの事です、5000~7000万人、子供がいると言われております。ワーカーさん達の毎日の地道な活動に心より感謝を申し上げます。